推薦入学を控えた飛雄は既にやることがない。その時間を利用してウェディングドレスやチャペルを色々と調べて見て回る。ドレスも、チャペルも選ぶのは飛雄に任せっきりでオレは少し意見を言うだけだ。そのオレの一言で決まるからあまり言えない。でもオレのことを一番に考えてくれるのは嬉しい。結局、ドレスは何着も着たけれど最初に着たオフショルダーのお姫様みたいなふわふわのレースがいっぱいのドレスに決まった。飛雄のタキシードはオレが選んでグレーのタキシードに決まった。足も長くて身長もある飛雄にはどれもにあったけれど、グレーのが一番似合っていたと思う。花束は飛雄が選ぶ、と口うるさく何度も言っていたから完全に任せることにした。入籍は飛雄が18歳になって、高校を卒業してからもう済ませてしまった。戸籍上はオレも影山、ではあるのだがまた不思議で仕方がない。シンプルな指輪は飛雄がお年玉やお小遣いを貯めて買ったものらしく何だか可愛い、と思えた。大学に入ったらバイト始めるからいつかもっと綺麗なの買ってやる、と意気込んではいるもののオレはこれが気に入ってしまっている。
いざ、式の当日になればオレのほうが忙しくて朝からメイクやらヘアセットなどであちこち回って飛雄に会えていない。行ってきます、とは言ったもののそれ以来会っていないからあいつは今頃こうしてるんだろうなーと妄想するしかなかった。段々式の時間が迫るにつれてオレもドレスの準備をしたり、休憩がてらにサンドイッチなどを摘む。お気に入りの卵サンドを気をつけて食べながら携帯をチェックする。ドレスを着る前にストッキングや下着を着替える。少しだけコルセットで締め上げれて潰されたカエルのような声を出しながらもドレスを着る。こんなにも苦しいのは分かっていたけれどやっぱり大変なんだなぁと思い知る。
「お姉ちゃんすっごい綺麗!」
「ありがとな、夏」
「やっぱり飛雄のお嫁さんになるなんてなんか許せない!」
「あはは!!それは困るなー。オレも飛雄のことが好きだから、離れたくない」
「熱烈だねえ、お姉ちゃん」
「えへへ」
ベールをかぶって、あとは時間になったらお父さんとヴァージンロードを歩いて飛雄の腕の中に入るだけだ。もう恋人期間も長いし、入籍もしたけどいつまでもすごい年下の恋人の感覚が抜けないでいる。それでもオレは飛雄とこれからもずっと一緒にいたい。結婚の夢もドレスの夢も、どれも飛雄が叶えてくれたもので扉が開いてもベールが邪魔してよく見えなかった。ベールが持ち上げられてやっとクリアに見えた飛雄の顔はどこまでも嬉しそうできっと世界で一番幸せなのはオレたち二人なんだろうな、と誓いのキスを受け止めながらそう思った。
あいつが選んでくれた白いふわふわのドレス、散々悩んで選んだ赤、ピンクと黄色のガーベラの花束とあいつが吟味を重ねた大きくて綺麗なチャペルでの挙式。どれも幸せの空気に包まれたままオレは今日、世界で一番好きな人と結婚した。
まさ様より、『女体化日向受け落描き2』で描いてた粘着系男子飛雄ちゃんな年の差影日♀を書いていただきました!
何これ可愛い……飛雄ちゃんが生まれてからの18年間が全て詰まってる……かわええ……!
翔ちゃんにくっつくために寝返りうったり花プレゼントしたり告白スポットで二度目の告白して唇奪ったりやだこの飛雄ちゃんかっこかわいい……!
翔ちゃんのブーケの花言葉を調べたら幸せな気分になれます。飛雄ちゃん翔ちゃん好き過ぎ!
まさ様、可愛い小説ありがとうございました!
まさ様はpixivで素敵な小説を書いていますので、他の作品も見てみたい方はコチラからどうぞ。
まさ様、素敵な作品ありがとうございました!