まさ様より、『女体化日向受け落描き2』で描いてた粘着系男子飛雄ちゃんな年の差影日♀の続きを描いていただきました。

前のお話はこちらです。『明日も、あさって、ずっと、ずっと、大好き

明日も、あさって、ずっと、ずっと、愛してる

結婚して、飛雄の大学入学に合わせて引っ越す。仙台市内の大学だし、オレも仕事がある。やっぱり結婚したからには一緒に住みたい。そう飛雄が両親を説得して念願叶った二人暮らしだ。それまで一人暮らしをしていた部屋を引き払うのは少し寂しかった。学生時代の4年間、そして社会人になってからの4年間ずっとお世話になった部屋で、オレが楽しい時も辛かった時も全てを知っている空間だ。ワンルームの部屋はダンボールが積み重ねられていて、運び出されることを待っている。剥き出しの床に座り込んで紅茶を飲む。鳴ったドアベルに出てみれば飛雄がいた。

「手伝いに来た。」
「ありがと!もうすぐで引越し業者さん来るからな!」
「おう」

クッションをもう一つだして紅茶を淹れる。ティーバッグのでも飛雄はオレが淹れてくれればいい、というので淹れて二人でのんびりと過ごす。長い足を折りたたんでオレと一緒に座っている飛雄が何だか可愛く見えて、頬にキスをすると顔を真っ赤にさせる。誓いのキスは唇だったくせに、こういう初心なところがかわいい。

引越し業者さんが来てからは流れるようにダンボールが運ばれていき、一気にガランとする部屋にさよならをして一緒に車に乗り込む。18歳になったばかりの飛雄は運転免許なんて持っていない。もちろん俺が運転することになったのだが不服そうだ。助手席はオレだけにしろよ、と言えば嬉しそうにする姿は単純だけれど可愛い。

もともと住んでいた場所からはあまり遠くはない。10分くらい運転して、すぐに新しいアパートに着く。駅からも近くて、セキュリティもバッチリである。セキュリティに関しては飛雄が譲らなくて、お眼鏡に合った物件を探すのに苦労した。ファミリータイプのアパートは二部屋あって、セキュリティもバッチリだし、スーパーも駅も近い。

「翔陽、これはどこに置けばいい?」
「寝室に頼むー」

飛雄が重いダンボールを振り分けてくれているから作業がすごい楽だ。業者さんたちを手伝おうと重いダンボールを持とうとするとことごとく奪われて軽めのを持たされる。

「翔陽が怪我したら嫌だから、これ持ってろ」

そんなこと言う飛雄は恥ずかしそうに口を尖らせて、顔を見られたくないのかさっさと行ってしまう。全てのダンボールや家具の搬入が終えて、とにかくこのダンボールの山を崩す。その前に腹ごしらえだ。

「飛雄、買い物手伝って?」
「おう」

履き古したスニーカーを履いてスーパーまで歩く。未だに緊張で汗ばんでいる手はオレの手を優しく握ってくれる。スーパーでも手は殆ど離されることはなくて、飛雄がカゴを持ってオレがカゴの中に必要なものを入れていく。会計の時は流石に手を離してくれたが帰るときも飛雄が重いのを持ってくれて、オレが軽いものだ。こういう幸せが毎日続けばいいと心の底から思う。

昼食を作って、洋服を先にタンスやクローゼットに仕舞い込む。オレはスーツが多いから、あまり畳んだままにしておくとシワがついたり癖がつくからハンガーに吊るして、それから細々をしたものをしまう。とりあえずキッチンが綺麗に片付いたのは嬉しい。飛雄の身長に合わせて買ったダブルベッドには赤面するしかないけれど、そのうち慣れるだろう。・・・と思う。

「翔陽、」
「んー?」
「俺、すげー幸せ」
「オレも」

お風呂に入った(別々に!)後のゆったりとした時間。まだダンボールの山はあるけれど、それでも幸せってこういうことなのだろう。体温の高い飛雄に擦り寄ればキスの雨が降ってくる。くすぐったいからやり返せばいつの間にか力いっぱい抱きしめられている。

「飛雄、結婚してくれてありがと」
「・・・おう」

あ、今のは照れてる反応だな。案の定耳を真っ赤にさせていて視線をそらすのは昔から変わっていない飛雄の照れた時の癖。小学校のとき、告白してくれたときもこんな顔してたよなーと思う。胸に耳を押し当てればドクンドクンと早くて力強い鼓動が聞こえる。

「飛雄、明日もあるから早く寝よう?オレ眠い」
「そうだな・・・」

簡単に抱き上げられてそのまま寝室に入る。新品でふかふかなベッドに二人で抱き合いながら寝る。まるで湯たんぽみたいな体温をした飛雄が離れてくれなくて、ぐっすりと眠ることが出来た。