初めてその色を目にしたのは
中学三年の公式戦でだった。
オレンジ色という色のイメージのまま
明るくて、眩しくて、消えそうで、
太陽みたいだと思った。
次に目にしたのは高校一年の春だった。
全部がモノクロの世界で、
自分がなんなのかすら分からなかった。
仲間に拒絶されて初めてバレーすらも
モノクロになった。
こんなことは初めてだった。
最初はそのオレンジ色だけだった。
髪色のせいだとばかり思っていた
そしたら、いつの間にか
憎たらしい黄色とか、騒がしい緑色とか、
優しい灰色とか、頼もしい黒とか。
どんどん世界が色づいていった。
そして、ある日
世界に色が溢れた。
目に見える景色すべてに
色がついていた。
そして、初めて気づいた。