みく様より、『日向受け落描き2』で描いてた上司×部下の社会人影日を書いていただきました。

マシュマロらぶストーリー

新しく入った日向とかいう新人は、どうやらずいぶんとゆとってきた奴らしく、大学卒業の癖にコピー機の使い方も最初は知らなかった。

「おい、日向どこいった」
「え?あぁ、影山さんにコーヒー淹れるって意気込んでましたけど」
「はぁ?ったくあいつは・・・分かった」
「失礼します」
「悪いな」

じゃあ給湯室か。あいつは自分の仕事を棚にあげて何やってんだ。他の男と話してたら承知しねぇぞ。

「おいひな、・・・日向!!」
「うひぃ!?か、影山さん!?」
「てめぇは仕事放り出して何話してんだ!!」
「すいませんっ!!」
「ったく、淹れたらさっさと来いよ」

お前たちも、休憩は良いが程ほどに戻れ。と日向と話していた女共に言葉をかけ、デスクに戻った。

後ろから日向の返事と、女共の称賛の声が聞こえるが後ろ手に手を振り仕事に戻るように促した。

「影山さん、」
「菅原さん、」
「あれは逆効果でしょ~」
「はい?」
「女の子達、相変わらずモテるねぇ」
「はいはい」
「あぁ、今日の会議2時に変更です」
「あ、分かりました」
「それじゃ、日向くんにもよろしく~」
「はいはい」

二つ年上の菅原さんは日向がお気に入りらしい。俺にほうこくのついでに何かっていうとちょっかいをかけては遊んでいる。仕事遅いんだから集中力途切らせないで欲しい。

デスクに置いてあった資料を開けば、ちょうど日向がマグカップ二つ持って帰ってきた。

「影山さんっ、コーヒーです」
「ん、日向、会議2時に変更だ。資料読んどけよ」
「あ、はいっ」
「コーヒー、溢すなよ」
「あ、はいっ」
「ん、・・・コーヒー、さんきゅ」
「っ、はいっ!!」
「声でかい」
「・・・は~い」

ぷく、と膨れながらデスクに戻る日向にため息。あぁ、この資料なら大丈夫そうだな。

「いーねー、日向のコーヒー」
「黙れ国見。資料出来たのか」
「はいはいどーぞ」

半分投げるように資料を渡してきた国見に怒りを通り越して呆れつつ、目を通す。

OKだと資料を振れば国見は鼻唄混じりに引き出しから塩キャラメルを取り出した。だから仕事終わる度に食べるの止めろ。



――――…



「・・・以上で、本日の会議を終了します」
「っしたー・・・」

資料を揃え、立ち上がれば影山さんはなんか話してる。誰だろう。爽やかそうな、でも菅原さんじゃないし・・・

「じゃ、」
「分かりました」

爽やかさんが出ていって、会議室は二人きり。壁にもたれ掛かり深く息を吐く影山さんに思わず近づく。

「影山さん?」
「日向、置いて、あと、鍵して来い」
「え、あ、はい」

言われた通りに影山さんが持っていた資料を机に置き、会議室の鍵を閉め戻ってくる。

「影山さーん?どうしまし、うおっ!?」
「も少し可愛いげのある声出ねぇのか」
「男なもんで・・・」
「おー・・・」

言われた通りにやりましたよ~と報告に近くまでいけば手を取られあっという間に影山さんの腕の中。

「仕事増えた・・・」
「さっきの人ですか?」
「おー・・・及川さん。あの人には近づくなよ。食われるぞ」
「ひっ、・・・わ、分かりました」
「ったく、何でアパレル部門の奴と・・・」
「?」
「日向ー」

影山さんが俺の肩に額をのせて、耳元で話す。そんな低い声で話さないで下さい。そんな声で、呼ばないで。

心臓が早くなり、顔に熱が溜まる。

「お前、今日定時で上がれ」
「へ?」
「家帰って俺の飯作ってろ」
「へ、あ、はい?」
「いいな」
「あ、はい。あ、何が良いですか?」
「あー・・・お前に任せる」
「はい。・・・影山さん、お疲れ様です」
「ん、」

さらさらの黒髪がいつもは届かないのにすぐ傍にあり、つい撫でる。

「ふにゅ、」

そしたら急に、抱き締める力が強くなって変な声が出た。

「ふ、何だよ今の声」
「で、出たんですっ」
「くく、・・・日向、」
「ん、」

影山さんがキスしたそうな顔って以外と分かりやすい。

目を閉じて、影山さんの背中に手を伸ばせば、ゆっくりと頬を大きな手に包まれて、耳を軽くさわって、くすぐったいと眉を寄せたら、奪われる。

キスは上手で、終わる頃にはとろとろに溶かされて影山さんに支えてもらわないと立てない。くっそ、上司の余裕か。

「か、げやま、さ、」
「ん?」
「ふ、は、」
「くく、大丈夫かよ」
「ん、はい、っは、」

ふわふわと髪を撫で、涙を親指で拭いて、最後にふ、と笑ったら仕事モードの影山さんに戻る。

「おらさっさと行くぞ」
「影山さんのせーなのに」
「あ?」
「何でもないですっ!!」
「そーかよ」

うぅ、狡い。



―――…



ったく、何で俺がこんな時間まで残らなきゃならないんだ。明日国見に回す。ぜったい回す。何で早く帰りたい時ばっか仕事ミスるんだあいつは、あぁ、早く帰りたい。帰って日向を、

「ただいま、」
「あ、影山さんお帰りなさいっ!!」
「おー、」
「今日は和食ですよー。肉じゃがと、揚げ出し豆腐と、うひゃ、」
「さき日向」

俺の脱いだスーツをハンガーにかけていた日向を後ろから抱き締める。

「今日は甘々ですね、影山さん」
「んー」
「はは、ビールもありますよ?」
「さんきゅ、プリン貰ったから後で食わしてやるよ」
「やった」
「ん、」

俺の高校だったか大学だったかの時に使っていたYシャツに短パンをはいたスタイルの日向の首筋に噛みつく。

鼻から息が抜ける音がして、癒されるというか欲されるというか。

「日向、」
「ん、」
「好きだ」
「ん、俺も、好き」
「ん、」

日向が身じろぎ、反転して俺の背中に腕を回す。

「ん?」
「かげやまさん、」
「ん?」
「お疲れ様、」

へにゃ、と笑い俺を癒してくれる小さな太陽に、俺は思わずキスをした。





マシュマロらぶストーリー



(あーん)
(あー・・・ん、うまいっ)
(良かったな)
(ん、あ、)
(ほら、)
(ふんわ~)
(日向、)
(ん、ふ、・・・ん、ふぁ、ん、)
(・・・ふ、プリンは?)
(・・・ん、かげやまさん、が、いー)
(・・・ん、)

みく様より、『日向受け落描き2』で描いてた上司×部下な社会人パロ影日を書いていただきました!
やべぇ影山さんが王様上司過ぎて悶える…翔ちゃんめっちゃ可愛い死ねる…
最後に餌付けシーンも入れていただけて萌え転がりました。
影山さんに色々ちょっかい出されて「うおっ」とか「ふにゅ」とか変な声出ちゃうひなたん可愛いです。会議室の机とかイスとか観葉植物になりたい。
社会人影日ちゃんのオフィスラブ美味しい…思えば私の落描き全然オフィスラブしてなかったからすごく美味しい…!

みく様は、こちらのHPでハイキューキャラ×女の子のお話も書いています。他の作品も見てみたい方はコチラからどうぞ。
みく様、可愛い小説ありがとうございました!

2014/8/27