みく様より、『メモログ6』の研磨と日向を元にお話を書いていただきました。

眠れない夜のおまじない

暑くて寝れない日も沢山あるけど、それはクーラーさえ回せばどうにかなった訳で、寒くて寝れない日は、どうすればいい。

夜中暑くなって布団がはだけて風邪を引いた、何て事がよくあったから、寝るとき俺の家は暖房禁止。

「・・・さむい」

布団を鼻辺りまであげて丸まっているのに寒い。しかも、寝返りで少しでも足を伸ばしたら、熱のない冷たい布団に触れて、眠りが覚める。

小さい頃は幼馴染みの布団にもぐって眠っていた。今はお互い、というか向こうが無駄に大きくなったせいで、布団に入らない。

だから一人で寝なくてはならない。部活がない日は布団にもぐってゲームをしていつのまにか眠っていた、っていう方法が楽にできるのに、明日は部活だ。こんなに寒いのにどうしてそんな動く必要があるんだろう。

「・・・」

寝てるかな。多分、向こうも明日は部活で寝ている可能性が高い。

出なかったら諦めて寝よう。

そう思い、手を伸ばした先にはスマホ。

「・・・出るかな」

5回コールがなったら切ろう。そう思ったのに、2コールで出た。起きてた。

『けんまぁ~?』
「っ、しょ、うよう」
『どしたのー?』
「ごめ、寝てた?」
『ん?大丈夫~今布団の中入ったとこ~』
「そ、っか」
『どしたのー、研磨』

眠そうな、男にしては高い、下手したら俺よりも高い声が聞こえた。

「ちょっと、眠れなくて」
『あ~、話し相手欲しかったんだ』
「うん、ごめんね」
『いーよー。俺んとこ部活明日午後からだから』
「そっか」

へにゃり、電話先で笑ったのが何となくわかった。喜怒哀楽が激しいから、雰囲気で伝わってくる。

『そっち、雪降ってる?』
「まぁ、少しは」
『少し?いーなー。俺なんてふくらはぎよゆーで埋まるよ~』
「それは、すごいね。前に見せてもらった大きな雪だるま、溶けた?」
『溶けたっ、だからまた新しく作るんだ~』
「そっか。こっちも降ったら頑張ってみる」
『おうっ。作ったらまた見せてやるよ~』

いつもより言葉が間延びしていて幼さが目立つ。翔陽は格好いいとこも沢山あるけど、やっぱり可愛い。

『ふぁ、』
「ん、ごめん、やっぱり眠いよね」
『んー、らいじょーぶー』
「いいよ、そんな無理しなくて。俺もなんか寝れそう」
『そーう?』

うん。

「翔陽の声聞いて安心した」
『へへ、そー?』
「うん。ありがとう」
『へへ、やった』
「・・・」
『あ、けんまー』

あぁ、さっきまで寒くて全く寝れなかったのに、今はなんだか暖かい。

「ん、何?」
『おやすみ~。けんま』
「っ、・・・うん。おやすみ」

最後に笑い声が聞こえたかと思ったら寝息が聞こえた。

「翔陽?」
『ん~・・・』

これは、電話切る前に寝ちゃったのか。

「ごめんね、翔陽。ありがとう」

切るのはなんだか寂しいから、今夜はこのまま寝ても言いかな。

明日、幼馴染みに呆れたように笑われるかもしれないけど、なんて考える前に、俺は微睡みに足を溶け込ませていた。





眠れない夜のおまじない



(研磨、研磨ぁ)
(ん、・・・何、)
(部活行くぞ)
(・・・ん、)
(ったく、電話の途中で寝たのか?あとでチビちゃんにメールでもしとけよー?)
(・・・ん、)
(お、今日は顔色いいな。ぐっすり寝れたか?)
(・・・クロお母さんみたい)
(あんだとー?)
(・・・じゃーじ)
(はいはい)
(・・・しょーよーに、連絡、)
(そーそ。忘れんなよー?)

みく様より、『メモログ6』の研磨と日向を元にお話を書いていただきました!
研日というよりは研磨+日向寄りとのことでしたが、本当に天使が二人揃うと可愛いですわ…
遠距離研日ちゃんっていいですよね!日向の声を聞きたがる研磨も寝落ちしちゃうひなたんもどっちも天使です。
黒尾さんの立ち位置が羨まし過ぎてそこ替われ状態です。私だって研日ちゃんの遠距離恋愛を間近で応援したいよ…!間近で応援するという意味では影山さんと替わるのも可です。
可愛い×可愛いで最強に可愛いお話でした!可愛いは正義!!

みく様は、こちらのHPでハイキューキャラ×女の子のお話も書いています。他の作品も見てみたい方はコチラからどうぞ。
みくさん、可愛い遠距離研日ありがとうございましたー!

2014/12/29