みく様より、『うちの日向受けについて』のトサチビネタを元にお話を書いていただきました。
「・・・~~なので、夏目漱石は・・・」
―――…
「ふぁ、ねむ、」
「じゃあ自分の部屋戻りなよ」
「んだよ研磨」
幼馴染みの家で漫画を読んでいれば、部活の疲れもあるからか、段々と眠くなってきた。
欠伸を溢せば、ベッドで寝転がりながらゲームを続ける幼馴染みに追い出される始末。まだ出てってないけど。
「明日の朝起こしてやんねーぞ」
「別に良いけど」
「平気で遅刻するやつが何言ってんだ」
俺が起こさなければ平気で休むくせに。
ベッドに座り直しプリン頭を撫でる。
「ちょっと、」
「だいぶ痛んでんなー」
「・・・別にいいでしょ」
まぁ別に、特に気にしたことではないが。
一通り撫で回し、研磨が抵抗を諦め微睡みに足を突っ込み始めた頃、俺の携帯がなる。
「・・・お、チビちゃん」
「!」
「んじゃな研磨、ちゃんと寝ろよ」
「あ、ちょっとクロ!」
チビちゃん、と聞いて目を見開く研磨を飛び越え、俺は窓から自分の部屋に戻る。
携帯を耳に当てながら窓を閉めれば、向かい側の研磨がしかめ面。
ベッドに胡座をかき、コールをとれば、向こうから研磨より高い声。
「おー、珍しいなチビちゃんから電話なんて」
『す、すみませんっ』
「いーよ、大丈夫。どした?」
『・・・』
何か言いたいけれどうまく言えないような雰囲気のチビちゃんに、また寂しい思いをさせたかと少し反省。
「チビちゃーん?」
『あ、の!』
「ん?」
『月が!綺麗ですね!』
「ん?」
月?と思い窓の外を見れば雲がかかり月は見えない。
「あー・・・はは、うん。俺も好きだよ」
『!?』
チビちゃん、そんな言葉どこで知ったんだ。授業かな。
「どうしたチビちゃん、そんな情熱的な告白しちゃって」
『へ!?』
「寂しかったか?」
『・・・大丈夫、です。授業で、習ったから、使ってみたかった、だけ、です』
「そっか。チビちゃん、」
『・・・はい、』
沈んでるなぁ。と思いカレンダーを見る。仕方ない。
「今週三連休だろ、遊びにいってやっから、落ち込むな」
『っ、べ、つに、落ち込んでなんか、』
「ふ、俺が会いたいの。会ってくれるか?」
『・・・はい、』
電話越しの声が寂しさから申し訳なさに変わった。どうしたものか。
『前も・・・』
「ん?」
『前も・・・来てくれたのに俺、行けなくて、ごめんなさい』
「何言ってんだ。チビちゃんこっち来たら研磨にとられちまうじゃねぇか」
『・・・へ?』
「俺が独占したいから、そっち行くの。だから、変なこと考えないよーに」
『・・・へへ、はいっ』
「よーし元気でたな。では問題だ」
『え!?』
「"`月が綺麗ですね"とは誰のいった言葉でしょうか!!」
『な、夏目漱石っ!』
「よし正解!テストでても大丈夫だな」
『へへ、はいっ!』
研磨と違って感情の並みが激しい子だ。可愛いと思いこぼれる笑みを殺しながら、もう寝なと促す。
『む~』
「明日も学校だろ」
『う、』
「起きれんのかー?」
時刻はもうすぐ11時だ。流石にそろそろ寝かせなければならない。
保護者の顔が出てくる。
「ほら、俺ももう寝るから」
『・・・はい』
「チービちゃん、お休みは?」
『っ、お、お休みなさいっ』
「ん、お休み」
チビちゃんが電話を切るのを待っていたら朝になってしまう。
俺は仕方なく電話を切り、ベッドに投げる。
俺はまだ一階でテレビを見ているであろう親に宮城行きの金を貰いに、階段を降りるのだった。
月が見えずとも太陽は光る
(また!?)
(だーら、月一の懇親会だっての!)
(もー!宮城さんにも来て貰いなさいよ!)
(今度はそうだって。卒業するまでだから)
(もー!)
(チービちゃん)
(くろーさんっ)
(っと、今日も元気だなー)
(はいっ!)
(部活は?)
(休みです!)
(そか、じゃあ今日はどこ案内してもらうかなー)
みく様より、『うちの日向受けについて』のトサチビネタを元にお話を書いていただきました!
実は私夏目漱石の「月が綺麗」ネタがものすごく大好きだったので、読んだ瞬間梨の妖精化しました(笑)ヒャッハー!!
やだクロさんイケメン!そして日向を独占されてヤキモチ妬いちゃってる研磨可愛い!そして日向は天使という萌え所しかない素晴らしいお話でした。
厨二病を患っていない黒尾さんはイケメンだったのかと目から鱗です。
こんなんされたらそら翔ちゃんもメロメロやで…早く大学生になって上京しちゃいなよ!
みく様は、こちらのHPでハイキューキャラ×女の子のお話も書いています。他の作品も見てみたい方はコチラからどうぞ。
みくさん、かっこいい黒尾さんなトサチビありがとうございました!