みく様より、『俺の彼女は死ぬほど可愛い』の影日♀漫画の前後を書いていただきました。

過保護な王と愛され天使

女子会(マネージャーミーティング)が終わり、影山が待つ教室まで行こうと立ち上がったら、潔子さんに止められた。

「日向、」
「何ですか?」
「ちょっと、マフラー貸してくれる?」
「へ?はぁ、どうぞ」

ありがとう、と可愛い顔で言われ見とれていれば、後ろから谷地さんが髪の毛を弄ってくる。

「ん?」
「ほどいてもいい?これ」
「ん、いーよ。部活ねぇし」
「ありがと」

俺のポニーテールをほどき、前にやって来て耳のしたで二つに縛る。

「なんかこれ、耳んとこくすぐったい」
「この方が暖かいから!ね?」
「まぁ、」
「日向、はいマフラー」
「?おー!!」
「わ、可愛い」
「雑誌で見たから、やってみたくて」

被せるように渡されたマフラーはすっぽりと俺の顔を覆って暖かい。

「おおっ!暖かい!」
「良かった。そろそろ帰りましょう。影山待ってるでしょ?」
「あ、はいっ!!」
「崩れないように走るんだよー!」
「え、廊下は走っちゃダメよ!?」
「はーい!!潔子さん、谷地さんまたねー!!」

二人に別れを告げて俺は影山の待つ教室まで走る。


――…


あ、着いた。

教室の扉を思い切り開ける。反動で戻ってこないでね。

「影山ー!!遅くなってゴメーン帰ろー!!」
「好きだーー!!」
「えっ、何、ちょ、えっ、!?」
「すげぇ日向!俺達の想像の斜め上を行きやがった」
「そのまま狼に食べられてしまえこのバカップルが」

すぐに飛んできて抱きついてきた影山を受け止めながら、状況が理解できない俺は月島と山口を見る。

これ見てたんだよ、と雑誌を見せてくる山口。

「もー、影山どいてっ」
「俺じゃ不満か」
「違うっ!!雑誌見えないの!!」
「ほい」
「おぉ!?で?何?」
「雑誌、これ」
「君たち本当自然にするよね・・・」

ひょい、と影山に抱き上げられ、そのまま影山が座っていたであろう椅子に影山が座りその上に座る。

「へぇ、これか」
「うん。てかそのマフラーどうしたの」
「潔子さんがやってくれた!」
「よかったね」

おうっ!笑えば山口も笑い返してくれた。

振り向いて影山を見上げればまた抱き締められる。なに、何なの。

「日向可愛い。本当可愛い、マジ天使」
「お、おぅ?」
「今日俺んち泊まれ」
「え!?」
「親居ねーんだよ。だから飯作って」
「ん?あ、おうっ!!」

そう言うことなら任せろ。前は和食だから今日は中華にするかなー

「何食いたい?」
「日向・・・が、作るもんなら何ても旨い」
「そう言うことを聞いてんじゃないっ。中華で何が良い?」
「ん~・・・麻婆豆腐とか?」
「おおっ、餃子とか?」
「いいな」
「よしっ、そうと決まれば買い物して帰ろーぜ!」

そうだな、と目元だけを細めて笑う影山。

影山の膝から降りて、影山の手を取る。

「月島たち帰んねーの?」
「僕図書室寄るから」
「そか、」
「じゃあね二人とも」
「おぅ!じゃあなー!!」

行こう、と影山の手を引き教室を出た。


―――…


「ご馳走さまでした」
「ははっ、お粗末さまでした」
「旨かった」
「良かった。皿貸して」

良い、俺が洗う。立ち上がり、台所で水を出している小さな手を掴む。

捕まれた日向はキョトンと見上げて首を傾げる。その仕草も可愛いな。

「珍しいね」
「お前の手、可愛いから荒れられたら困る」
「な、んだよ、それ///」
「ふ、デザートのゼリー食ってろよ」
「やだっ!!」
「あ?」

スーパーであんなねだって買ってもらっておいて嫌だって何だよおい。

「影山が洗う係りで、俺が拭く係りなっ」
「何で、」
「だって、その方が早く終わるし、影山の傍にいれるだろ?」
「・・・お、まえ、本当可愛い」
「うひゃっ!?」

水に濡れた日向の手を拭いていたタオルをそのまま日向に押し付ける形になって、俺は空いた手で抱き締めた。

「一人で居ることも出来ねぇのかよ」
「う、だって・・・」
「ん?」
「ゼリーも、一人で食べたくないし・・・」
「・・・あぁ、」

だから、買うとき、俺にも買えって言ってきたのか。一緒に食べたいから。

「そうだな」
「ん、」
「お前拭くのな」
「ん!」
「フライパンと大皿は置いとけよ、俺が拭く」
「え、拭けるし」
「重いだろ」

水を流し、皿を洗い始める。

「過保護め、」
「文句あっか」
「べっつに~」

へにゃりと日向が笑うから、俺も無意識に綻ぶのだった。





過保護な王と愛され天使



(お、うまいっ)
(よかったな)
(影山のはー?)
(コーヒーゼリー)
(一口っ!)
(ほら、)
(・・・んっ、苦いっ、うまいっ)
(そーかよ。・・・翔)
(へ!?)
(二人ん時は名前、呼んでみっか?翔陽)
(っ、)


(飛雄っ)
(ん?)
(はいっ、ドリンク)
(さんきゅ、・・・翔、)
(ん?)
(今、部活中だぞ?)
(っ!?)

みく様より、『俺の彼女は死ぬほど可愛い』の影日♀漫画の前後を書いていただきました!
実は更新した次の日に頂いてました。すごい……仕事早い……!
さらっといちゃつく影日ちゃん可愛い……「何食いたい?」て聞かれて「日向」って即答するムッツリ影山さん愛しい…!
みくさんの影山さんは好きな子をでろでろに甘やかしてくれるので本当大好きです。
皿洗いを率先してやるだなんて、影山さんは良い旦那になりますね!(笑)
そして料理上手な翔ちゃんは良い嫁です。結婚式はいつでしょうか。

みく様は、こちらのHPでハイキューキャラ×女の子のお話も書いています。他の作品も見てみたい方はコチラからどうぞ。
みく様、可愛い小説ありがとうございました!

2014/8/30